2015年6月3日水曜日

何を知ってもらうか

ブログやSNSを利用しての発信についてのトレーニングを請け負っています。
何を伝えるべきか、日々考えていることを整理して、Webを利用して発信する練習をします。
要点を抑えて練習すれば自然にできる様になりますが、馴染んでいく速度はそれぞれで、大変苦労する場合もあります。
インターネットを利用して自分たちで手軽に発信できる時代。適切な発信で得られるものは多くあり、反面、効果を得るには言うほどの近道は無いことも、同時にお伝えします。

様々なビジネス書を読み、自分たちの事業の強みやマーケティング的な考え方について、セミナーやコンサルティングを通じて分析したり掘り下げたりしている皆さんが、さて、見つけた強みで新たなことに挑戦して、結局何処にもたどり着けていないというのも、よくある話し。
強みを見出して、それを活かすホームページを作ったと聞いて拝見してみても、見出されたという強みに全く強みに言及されていないケースがまま見られます。
「ホームページ屋さんとちゃんと話をしたんですが……。」
ということで、改めて強みについてどの様に言及されているのかと聞いてみると、値段であったり、掲示してあるカタログスペック的や機能的なものだったりします。
分析で出てきた強みは果たして数字や性能表だったでしょうか。違う筈です。

こういう事態が生じる一般的な思考経路としては概ね、こうです。

  1. 強みを表すその言葉に特徴が無いから差がつかない。
  2. 強みの結果がサービスの値段や製品に出ている。

しかし、肝心のサービスや製品も、決して唯一のものではない場合、結果的に値段やスペックを提示することで、ホームページで自分たちの情報を出しているというよりも、比較検討の材料を提供しているに過ぎないわけです。

何を比較してもらうべきか、何によって選ばれるべきかで、感じてもらう感想や満足感が違うことについてしっかり把握していくことで、発信の内容は簡単に変化していきます。

2012年7月24日火曜日

おさんぽしんみなと

富山県射水市の放生津界隈は、旧新湊市の市街地。ここに流れる内川という運河には、今も多くの漁船が繋留されており、地域の生活と水辺の深い関わりを感じさせる。
内川を含む旧新湊市街地、放生津の適度な広さと、路地の面白さに初めて着目してから何年も経つ。友人の師匠にあたるまちづくりのコンサルタントが、内川の辺りの仕掛けを手がけており、付近の小学生、その保護者と輪を大きくしていく構想を聞かされたことが始まりだった。
それからずっと、IT系のアイディアはどれもものにならなかったが、この界隈の路地の面白さ、JR高岡駅から路面電車の万葉線で乗り入れて細い路地の古い街並みに迷い込む楽しさや、漁港の町故の魚の美味しさ、街角の菓子屋で売っているお菓子やおやつにも、ちょっとした独特なものがあり、なかなか深い楽しみ方のできる地域だと考えている。

放生津の路地裏で昼寝する猫
『富山新港新湊祭りに』先駆けてリリースしたホームページ『おさんぽしんみなと』は、祭り当日に合わせてリリースされるスマートフォンのアプリと同時に利用できる、新湊に車を使わずに向かい、いろいろ楽しむためのちょっとしたアシストをするためのサイトだ。
NPO水辺のまち新湊など、地元の団体による詳細な紹介や、万葉線株式会社が行っている誘客キャンペーンなど、ずっと存在してはいるものの、多くの旅行者にとって、新湊はまだまだ知られざる穴場といえる。
同じ富山県民でも、自動車で『海王丸パーク』『新湊きっときと市場』に行くことはあるかもしれないが、旧新湊市街地に降り立つことはほとんど無いのではないだろうか。新湊は、かなり面白い。
スパンを長く取って、庄川河畔から海王丸パークまでの距離は十分に歩き応えもある。悪く言えば、内川界隈と『きっときと市場』、『海王丸パーク』間の導線は、車中心の田舎にありがちな中途半端な距離感だが、富山県の風景を知らない人にとっては、十分に時間をかけて興味深い風景を堪能できる。そのくらいの独特さはある。

今回も、富山県立大学の岩本先生を筆頭に、いつものチームでプロジェクトを実行させてもらった。
このチームは、KDDIのARプロジェクトSATCHを利用しており、氷見市の『氷見でござるの巻』を皮切りに、小矢部市の『メルギューくん大ピンチ!おつかいなんだっけ!?』と前年度から町歩きにフォーカスして富山県内で活動を続けている。
ARと歩行という点では、我々はARそのものを中心に据える手段をとらず、演出として利用し、旅客の滞留時間、歩いてもらうアプローチについての試行錯誤を続けている。
今回、ようやく新湊で歩くことについて、ITの側からのアプローチが実現できたことは、とても嬉しいことで、今後もこのホームページやアプリをブラッシュアップしていければと考えている。

2012年2月23日木曜日

商店街で遊ぼう!『あるくと・であう』/氷見のイベント

富山県氷見市で活動するアートNPOヒミングが昨年から展開しているヒミング歩きであい部の活動の集大成となるイベントが、3月23〜25日に行われます。
ヒミング歩きであい部は、グループでスマートフォンやカメラを携えて氷見の市街地を歩きまわり、面白いもの、興味深いもの、美味しそうなものを集め、写真にも収めるという活動です。
活動を通して撮影され、Facebookのグループに投稿された歩きであい部の写真は今日の時点で約400枚にのぼります。

昨年、『氷見でござるの巻』のフィールドワークで氷見の市街地を歩き回ったとき、チェックポイントからチェックポイントへの移動距離や、その間、黙々と歩いていられるだろうかということをずっと気にしていました。散策ということで、トイレや休憩できる場所についても、果たしてどの程度の密度で存在しているのかということを気にしながら歩いてみて、氷見の市街地は、公衆トイレがそれなりに配置されてはいるものの、小腹が空いたときにつまみ食いできそうなものが無いということが気になりました。

『ヒミング歩きであい部』では、その辺をしっかり掘り起こしています。いろんなお店で何が買えるかという報告が毎回の様にあり、フィールドワークの時点での印象とは打って変わって、氷見の町中で何か食べ歩きできそうなおやつを新たに考案する必要は無さそうだと確信する様になりました。
勿論、それぞれのお店がディスプレイなどを工夫する必要はあるかもしれません。しっかりニーズに合うものが揃っているかといえば、確実にカバーできているという保障もあるとはいえません。
しかし、無かったのではなく、ある様に見えなかっただけなのだから、とりあえずはありますよと知らせるだけで現段階では良いと考えています。
新たな目玉を作らなければ、誰も呼べないし興味も持たないという感覚は、一体なにが源になっているのでしょうか。
地元の人間でなければ、そこが知らない土地なら、皆大なり小なりの好奇心を抱きながら移動する筈で、それをはなから否定する人間は、つまりターゲットの行動や気持ちを全く想定せずに予算を積み、永続できるかどうかわからない手間を作って、それを自分の存在証明にしているだけだと考えられます。

当然、多少ディスプレイを変更してそこに買い食いできそうなものがあることを知らせた後で、それを更に何らかの方向に育てていくということであれば、工夫の余地はあるでしょう。
しかし、今は何もわからないに等しい。なぜならこれまでは皆、ポイントからポイントへと移動する感覚しか持たなかったわけです。誰も街と出会うために街を歩いていなかったうえに、社会状況の必然性に従って、氷見の市街地は現在の姿になりました。氷見に住んでいる人間ですらバイパス道路を使い、中心市街地も自動車で通り抜ける場所でしかないため、街自体と向き合う歩行の感覚など誰も持たないに等しいのです。これから、それを覆す作業に入ると思えば、先ずは今あるものを総ざらえにして、丁寧な目録を作るところからでも構わないのではないでしょうか。

3月のこのイベントに合わせて、『氷見でござるの巻』もささやかながら、アプリケーションのアップデートを予定しています。ポイントではなく、氷見の市街地そのものの魅力を発見するためのアプローチのスタートを、氷見で直に体験してください。
いや、諸々の難しいことはさておき、うろうろしながら氷見ならではの美味いものが食えるイベントになることは確かなので、それだけでも十分刺激的な筈。ヒミングアートセンターの壁に大きく描かれた氷見市街地の地図のそこかしこに貼付けられたFoodの付箋を思い出すだけで、今でもなんとなくにやけてしまいます。
イベントの情報は、ヒミングのFacebookページでも小出しにしていく予定なので、是非チェックしてみてください。

2012年2月1日水曜日

石動プロジェクト始動

石動界隈のまちあるきアプリ開発のためのフィールドワークを開始します。
初日は小矢部市役所をスタートして、石動駅からお寺を中心に2時間半程度のコースを確認。見どころになるポイントをざっと把握してきました。
石動の商店街は昨年何度か歩いたことがあって、さて、ここを全体ひと回りしたとして、果たしてどのくらい時間が潰せるものだろうかと思っていましたが、その時は踏み込みが甘かった様で、商店街から少し入って、お寺や神社をポイントにして巡ってみると、結構面白くつながっていきます。また、実は山を背に抱えているために、ちょっとした見晴らしの良いポイントも散策コースに含めるのではないかという、面白い発見や、現在の散策案内図を補完するアプリ作りのヒントもそれなりに発見できました。

ヒミング歩きであい部のマップ
先行してサービスを開始している散策支援アプリ『氷見でござるの巻』が利用できる氷見市では、アートNPOヒミングという団体が活動しており、『ヒミング歩きであい部』という部活動を展開しています。皆で氷見の市街地を散策しながら面白い場所があったら写真で撮影し、Facebookのグループで共有しながら、最後に報告会を行うというものです。
『氷見でござるの巻』を制作する段階でも、かなりの時間コースになる場所を歩き回りましたが、『ヒミング歩きであい部』がカバーする範囲と量はなかなか圧巻です。
3月にはこの発見を利用したイベントも予定されていて、これに合わせて『氷見でござるの巻』を少しだけアップグレードするかもしれません。
また、この『ヒミング歩きであい部』の様な活動を、石動のまちなかでもやってみようという動きもある様です。

点を線や面にという話しは良く耳にしますが、その場所にあるものが面白いか面白くないかということになると、その質や量の大きなところは、にわかには動かしがたいものがあります。
氷見にも石動にも、それぞれ良いところや問題点があり、スマートフォンのアプリが何かをしたところで、そうそう簡単に本質が変化するわけではありません。
鉄道が一時間に一本という状況で、それを足に使う地方の感覚ではあまり省みられないことですが、知らない駅に降り立って、そこを起点に歩いてみる楽しみは、案外どんな土地でも享受できるものです。
自分が毎日目にしているものを、誰かが面白いと感じ、それについて改めて考えてみると、実は単に見ているだけで背景を深く知らなかったということは、案外あることです。
丁寧な再認識、拾い出しは様々な場所で可能です。「こんなものには誰も興味を持たない」という先入観から、躍起になって特別なコンテンツを探したり作ってみたりする前に、当たり前だと思って見ていたものの活用をするべきではないでしょうか。
幾度も歩き、アプリが動いている氷見でも、調査を始めたばかりの石動でも、今そこにある全ての資源を一気に使い切ることは不可能だということは、すぐに理解できます。

地力を連携させ、いかに活用するかは工夫次第です。スマートフォンを持ち歩くという新たな情報の受発信のスタイルが確立しつつある中で、どんなことがまちあるきを楽しむ有効な補助になり得るのかを更に模索していきます。

2012年1月28日土曜日

ホームページ屋ですという自己紹介は楽しすぎだという指摘は承知ですが……。

最近珍しく、立て続けにホームページのお仕事もやっています。

全くの新規制作が昨年末に一件、年明けからリニューアルを二件ということで、久しぶりに、ホームページにアクセスしてきた人に、どんな風に腑に落としてもらって、どんなタイミングで思い出して欲しいのかというテーマで、やや長いスパンの作戦を練っています。

もちろん最近では、ホームページにはあまり力を入れず、ブログやFacebookページとTwitterの運営のみで十分な効果を得ているお客さんも居られますし、Web利用の可能性は様々ですが、ホームページを軸にじっくり運用していく方が、きちんとした道筋を作ることができる様に思います。

どの様に知ってもらい、何を提案して軽く腑に落としてもらうのか。更に、どんな風に思い出してもらえる様にするのか。
全てその基本路線の中で、ブログをやるにしても書き方はもちろん、システム、サービスの選定があり、Twitter、Facebookでは誰を対象にしてどの様なアプローチをするのかなど、それぞれの業態や状況によってやり方は様々です。
ただ、どちらにしても既存顧客の像や、今後アプローチしていきたい層に、どうやって、どんな形で目に留まらせたいのかについて、改めて考えていくことになります。

ホームページが普及している今の状況では、往々にして同業他社のページなどを意識してしまうのですが、結果的にデザイナーに単に形やイメージを指示するだけだったり、互いを見比べてできてしまう最大公約数的な紋切り型に加わってしまわないことが大切です。業界全体が全く同じアプローチで商売していて、差別化のために必死で個性を探さなければならないということは、なかなかありません。
強み、個性という言葉はよく耳にしますが、それを伝えるためにイメージだけが頼りではいかに効率が悪いかということを理解し、どんな手を打つかで、期待できる効果は全く違うものになります。

2012年1月24日火曜日

Facebook初心者セミナー

FM石川主催のFacebookセミナーで講師をさせていただきました。
Facebook初心者を対象に、Facebookを使うにあたっての心構えを中心にお話しを、前半45分、後半45分という時間割でお話しさせていただきました。もう少し時間があれば事例も加えながら、わくわくする様なアプローチでもいけたのではないかと、終わってからそのことばかり考えています。

Facebookを使っていて、マナー以前に少し考えるべきところについては、ほぼ網羅できたのですが、シリアスな話しをストレートに聞いていただくという、ちょっとした試練を体験させてしまったのではないかと、その点だけが心配です。
折角の初心者講座なので、Facebookの楽しさについてもっとフォーカスしたかったのですが、これをきっかけに、自分で手探りしながらインターネットで強く生きるために鍛えるべき筋肉の場所に気付いてもらいたいというか、思考回路の持ち方について考えていただきたいという内容のお話しに終始しました。

実名匿名の宗教論争はさておき、Facebookの良さは実際の友人、知人と楽しく遊べるという点にあります。
そのためのルールやマナーは、現実空間と大差ありません。しかし、ネット特有の行動パターンや現象というのも少なからず存在します。
面白い事に、Facebookを使っていると定期的に自称IT系の人間のダメさ加減に驚くことがあります。
セキュリティ系の、いわゆる有用情報と言われる類いの、検証不足で奇妙な記事を無闇に拡散してみたり、単に文字数を埋めている過ぎない結論も内容も無いニュース記事の扇情的なタイトルに乗ってまんまとミスリードの尻馬に乗ったりと。
とにかくそういうことに注意深く適切であるのが、あなたの職業的な専門性やクオリティを知る手がかりになるポイントだろうという場所で、ことごとく残念な行動を取っている人を見かけるわけです。
場当たり的に対処法だけを広めて、本当は何が問題なのかを教えないままにしておくというのは、専門家としてあまり褒められたものではないと考えます。

頼りになる専門家もあまり居ないということで、とりあえず、日常の隙間を実際の友人達と他愛も無く埋めてみるところからスタートして、自力を付けることをおすすめします。それにあたって、プライバシーがとても気になるなら、最初から普段の日常並みの節度は保つべきです。
そもそも、Facebookのプライバシーポリシーや、Facebookがユーザーに対して宣言している利用規約はご存知ですか?
自分がFacebook上で何らかの被害を被ったと想像して、その被害に対してFacebookは何か対処してくれると期待できる存在でしょうか。少しオーバーに感じるかもしれませんが、何をするにつけても、そういったことを改めて確認してみるというのは、案外大切なことです。インターネットのサービスも日常の空間にある現実のひとつです。

いや、Facebook楽しいんですよ。楽しいんです。このエントリーも決して重くなることを意図して書いているわけではありません。
どうやったらこの内容のまま、元気が出る方向で伝えられるかについて、今後は研鑽していきます。

2012年1月9日月曜日

観光案内アプリケーション

開発中の実験
昨年末、『氷見でござるの巻』という、富山県立大学と氷見市が制作した氷見の市街地を散策できるAndroidのアプリケーションのプロジェクトに関わりました。
私がプロジェクトマネジメントを担当し、弊社のサーバシステムがバックエンドに控えて、地点情報の管理やホームページのフレームワークとして動いています。Android2.3以上を使っている人は、ぜひ、富山県氷見市に遊びに来てください。
このアプリは、KDDIが提供しているARアプリの開発キットSATCHを利用して、制作しており、アプリのギミックとしてARが利用できる様になっています。

ARと観光の親和性の高さについては、室堂や宇奈月でも十分な手応えを感じています。スマートフォンの普及も進み、こうしたアプリを利用した観光地などでの滞留時間の延長については、十分な効果が期待できます。
しかし、ARのアプリ、ARとGPSの両方を利用するアプリではバッテリーを急激に消費するというデバイス面での問題もあり、ARの仕組みだけをメインにした町歩きのアプリケーションには、まだまだ運用面での難点があります。
『氷見でござるの巻』もやはり、GPSを利用している関係で多くのGPSと地図情報を連動させたアプリほどではないですが、そこそこのバッテリーを消費します。この点は、運用面で何らかの形でカバーする必要があると考えています。

『氷見でござるの巻き』では、最大で約2時間程度の氷見の見どころ巡りを4つ設定しています。
この内容も、システム側から調整可能なので、今後もユーザーの反応などから様々な調整をしていきます。準備のために氷見のまちなかを何度も歩いているうちに、ぜひARやアプリを利用して紹介したいというものを沢山発見しています。
実のところ、フィールドワークは富山県内の一部地域で結構やっていて、経験上、歩いている時の発見の感覚というか、こんな場所があるのか、こんなものがあったのかという好奇心を刺激されるというのは、どんな土地にもあるものと考えています。
適切な情報を引き出すことを可能にする。もしくは、更に次のポイントへ、より奥深くへと導くために適切なタイミングで情報を提示するなどの工夫は、アプリケーションのギミックの工夫も含めて、今後もいろいろ模索できます。

ARを単に看板の代替品を設置して情報の出し方を操作するものと考えるよりも、更に有効活用していけるものと考えています。
氷見市での今後の展開、富山県内での他の試みも順次紹介していきます。よろしくお願いします。