富山県氷見市で活動するアートNPOヒミングが昨年から展開しているヒミング歩きであい部の活動の集大成となるイベントが、3月23〜25日に行われます。
ヒミング歩きであい部は、グループでスマートフォンやカメラを携えて氷見の市街地を歩きまわり、面白いもの、興味深いもの、美味しそうなものを集め、写真にも収めるという活動です。
活動を通して撮影され、Facebookのグループに投稿された歩きであい部の写真は今日の時点で約400枚にのぼります。
昨年、『氷見でござるの巻』のフィールドワークで氷見の市街地を歩き回ったとき、チェックポイントからチェックポイントへの移動距離や、その間、黙々と歩いていられるだろうかということをずっと気にしていました。散策ということで、トイレや休憩できる場所についても、果たしてどの程度の密度で存在しているのかということを気にしながら歩いてみて、氷見の市街地は、公衆トイレがそれなりに配置されてはいるものの、小腹が空いたときにつまみ食いできそうなものが無いということが気になりました。
『ヒミング歩きであい部』では、その辺をしっかり掘り起こしています。いろんなお店で何が買えるかという報告が毎回の様にあり、フィールドワークの時点での印象とは打って変わって、氷見の町中で何か食べ歩きできそうなおやつを新たに考案する必要は無さそうだと確信する様になりました。
勿論、それぞれのお店がディスプレイなどを工夫する必要はあるかもしれません。しっかりニーズに合うものが揃っているかといえば、確実にカバーできているという保障もあるとはいえません。
しかし、無かったのではなく、ある様に見えなかっただけなのだから、とりあえずはありますよと知らせるだけで現段階では良いと考えています。
新たな目玉を作らなければ、誰も呼べないし興味も持たないという感覚は、一体なにが源になっているのでしょうか。
地元の人間でなければ、そこが知らない土地なら、皆大なり小なりの好奇心を抱きながら移動する筈で、それをはなから否定する人間は、つまりターゲットの行動や気持ちを全く想定せずに予算を積み、永続できるかどうかわからない手間を作って、それを自分の存在証明にしているだけだと考えられます。
当然、多少ディスプレイを変更してそこに買い食いできそうなものがあることを知らせた後で、それを更に何らかの方向に育てていくということであれば、工夫の余地はあるでしょう。
しかし、今は何もわからないに等しい。なぜならこれまでは皆、ポイントからポイントへと移動する感覚しか持たなかったわけです。誰も街と出会うために街を歩いていなかったうえに、社会状況の必然性に従って、氷見の市街地は現在の姿になりました。氷見に住んでいる人間ですらバイパス道路を使い、中心市街地も自動車で通り抜ける場所でしかないため、街自体と向き合う歩行の感覚など誰も持たないに等しいのです。これから、それを覆す作業に入ると思えば、先ずは今あるものを総ざらえにして、丁寧な目録を作るところからでも構わないのではないでしょうか。
3月のこのイベントに合わせて、『氷見でござるの巻』もささやかながら、アプリケーションのアップデートを予定しています。ポイントではなく、氷見の市街地そのものの魅力を発見するためのアプローチのスタートを、氷見で直に体験してください。
いや、諸々の難しいことはさておき、うろうろしながら氷見ならではの美味いものが食えるイベントになることは確かなので、それだけでも十分刺激的な筈。ヒミングアートセンターの壁に大きく描かれた氷見市街地の地図のそこかしこに貼付けられたFoodの付箋を思い出すだけで、今でもなんとなくにやけてしまいます。
イベントの情報は、ヒミングのFacebookページでも小出しにしていく予定なので、是非チェックしてみてください。
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